エピプロ—希望だけ残して—
木葉 揺

琥珀色の部屋
細い指先が伸びれば、
全てが開放されて
あたりに充満する

あの日から
いくつもの罪を
学問と呼ぶことで
耐え忍ぶ人たちは
かろうじて名を残した

パンドーラ
あれから
どんな夢を見ましたか
ロックの氷が溶けてゆくと
二人の兄弟の間で揺れた
あなたを思い出します

今度目覚める時には
妊娠したり
育てたりして
笑いながら過ぎてゆく
そんな人になっていたい

柱時計が鳴り響いています
グラスに目を細めていると
頬杖の腕が痛くなってきました

明日の準備の前に
ジュエリーボックスを覗いてみます

おやすみ
またいつかお話しましょう


自由詩 エピプロ—希望だけ残して— Copyright 木葉 揺 2004-09-20 18:41:26
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