初雪
たもつ

 
 
硬質に濁ったゼリー状のものの中で
僕らの天気予報は
軋み
軋んだ音をたて
初雪が観測されたことを
伝えようとしている

子どもたちが歩道橋から次々に
ランドセルを落とす遊びをしている
散らばった教科書のページは
鳥になって空へと羽ばたく前に
そのほとんどが車にひかれてしまう
伝えたいことは増えていくばかりなのに
すべてを伝えることなく
僕らの肉体は正確な脆さで
朽ち果てていく

寒くなったね、と
もう呟くことしかできない
珈琲豆を挽く懐かしいあなたの手の甲に
今年初めての雪が
降り積もっている
 
 


自由詩 初雪 Copyright たもつ 2009-11-05 19:55:49縦
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