My 4th Story
都志雄

叔父さんと凧揚げしたのもこの川 
台風一過の増水を父と見たのもこの川
あいつと夕陽を見たのもこの川
家出して夜を明かしたのもこの川
好きだった子の手作りを初めて食べたのもこの川

利根川の土手のシルエットには
思い出がたくさんつまっているけれど

ぼくは今また一人

九分九厘の夕闇の
残光の最後のきらめきに
まるで潜水艦のように浮かんできた感情を
紙屑のように丸めそっと川に投げ入れるすべを
ぼくは知らない

でもぼくはもう「ムコウガワ」のビッグ・ボーイ

そうさ
口笛吹いて橋を渡らなきゃ


冬の初めの4号線
ぼくの4th Story


自由詩 My 4th Story Copyright 都志雄 2009-10-30 01:30:00
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