ぼくの酸素マスクの隠し場所をあんたたちは知らないという日常です
真白な晴空の淵にしがみついている愛着がはやく流れされていけと願う毎日です
アスファルトの裂け目にくるまれている苔の
その淡い光の緑に
スカートの青色を注いだらきみの横顔に差す影
逆算の方が確実だと信じているという掠れた神経
あんなに、
すきだよって
いってたきみは
まだこない電車がどうしようもなく疎ましい
嘘をついていいなら
ぼくはあなたをお慕いしています
(吹き溜まりに着氷)
方舟は誰もつくってないって
言っていたのはきみだったか
あんなに、
すきだよと
言われていたのはぼくだったか
酸素が恋しくて
まだ青い林檎をかじる
歯形に、きみへのさよなら