憎悪の巣
テシノ

お前はそんなにも体を歪め
あの日投げ付けられた言葉を
粘着質の糸にして部屋中に張り巡らせた

何故ここに
こんなにも眠れぬ私が
こんなにもここにいるのに
もし奴が
夢を見るのに毒すら使わず
夜を温める事すら必要としていないとしたら

片隅で
粘つく糸に捕らえられ
奇妙な形に首を巡らせたお前は
口を開けば糸を吐き出し
朝が来る窓を塞いだ

ドアの向こうにかつての住人はおらず
眠りを忘れた肉塊がぶら下がり
ずしゃり
と鍵が下りた


自由詩 憎悪の巣 Copyright テシノ 2009-10-06 19:01:11
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