もう11月になる。
日本列島ってやつは縦に長く、皆さんの季節の深まりにもタイムラグがおありの事かと思う。
私のいる山間の平地では、秋もそろりと冬へ傾き始めている。若干物悲しい季節だ。
傾き始めた ....
沈黙

必要とせぬ互いを
しかしなお繋ぐのは
切り離せぬ互いの
影を繋ぎ留めるため

ある日立てなくなった朝
影すら重くなった朝
それでも捨てる事ができずに
私はあなたを流すだろう ....
男よあなたは
力強いその腕を彼女に見せるべきではなかった
女よあなたは
唇にのぼる歌を彼に聞かせるべきではなかった

人々の行き交う雑踏で
緑香る木立の中で
小雨に光る橋の上で
あなた ....
空がとても高かったので
煙草吸いはつい
ぷかりと一服くゆらせてしまった
やわい風に紫煙はゆったりと漂い
久し振りの刺激に脳が軽く目眩う

いたぞあそこだ!
至福の時を切り裂いて声が響いた ....
これはあなたの建てた家
あなたの建てた家に寝かされた私

狭い部屋でも壁が遠くて
手を伸ばしても窓が開かない
開かない窓から空だけ眺める
鳥は行く行くあなたは来ない

これはあなたの建 ....
空気が薄かったのだろうか

衝撃はいかなる抵抗を受ける事もなく私の身に届いた
不意の一撃に驚き振り返って
第二波を正面で受け止める
滑稽な私がまるで喜劇映画のように
白黒無声フィルムの中を ....
………
…ねぇ

ん…?

あの人なんて名前だっけ
ほら…大統領の……




オバマ?
違う

………

プー…
プーチン?
それだ!
プーチンはもう大統領じゃ ....
その夜 声を盗まれて
お前と私が立ち尽くす
肩まで降りてきた空を
世界を
二人で支え合う
それが何故私達なのかもわからずに

拳を握って立っていた

足が地面に減り込んだ
このまま ....
お前はそんなにも体を歪め
あの日投げ付けられた言葉を
粘着質の糸にして部屋中に張り巡らせた

何故ここに
こんなにも眠れぬ私が
こんなにもここにいるのに
もし奴が
夢を見るのに毒すら使 ....
私がモーリタニアでタコだった頃
あなたは宇宙船の乗組員だったので
私の姿に驚かず毎日キスしてくれたよね
私は画家を目指してたけど
人類の壁の前に泣いてばかりで
そんな私の手だか足だかを
あ ....
友が
過去を未来へと繋ぐ
生命の行事に参加した
かつて痛みを知った腕が
今は燃え上がる命を抱く

その腕は庇護の門
やがてそれを押し開けて
子供は出かけて行くだろう
あらゆる光に満ち ....
その夜私達は走っていた
23時に閉まってしまう田舎の不便なコンビニ目指し
小雨に光る道を金木犀の香る闇を
友と名を呼び合いながら叫びながら笑いながら
その年はある国が消えようとしており世界は慌 ....
毎日歩く道端に
輝くものが落ちていた
罠を恐れて手が出せず
睨んで路肩の染みとする

毎日歩く道端で
昨日の己の罵声に押され
あれはお前のものではないと
諭し諭して残す輝き

燃え ....
足元に金の海原
頭にはすずめ戴く田んぼの暴君

雷にベソかくランドセルの背に
エールを送る軍手の案山子

言葉にて縛れるものがあるならば
案山子よ此処へ雲を留めよ

風に向かい腕を広 ....
誰かが言った
真っ赤な夕焼け空を見上げて
すごいなこりゃ
天変地異でも来るのかな
明日は地球滅亡するね

子供は走って家へと急ぐ
筆箱カタカタすっ飛んでいく体操着袋
慌てて拾ってまた駆 ....
医者が言う
今日は何?
そんなに言われるほど頻繁に来ているわけじゃないが
来るたびに私は彼とバトルしているのだから仕方ない

先生、指怪我した
うわ、これはこれは
突き抜けちゃった?
 ....
哀しみとは何か
淋しさとは何か
問うともない声に

哀しみとは過去
淋しさとは今と
独りごちている

そのような問いと
そのような答えしか
持ち合わせぬ二人は

標を失くし
 ....
そんなに難しい事でもないんよ
例えば林檎
本当は色がない
ある波長の光を反射して
目が勝手に赤と見るんだ
色彩学な友人がそう言う
私はただうんうんと頷く

そんなに難しい事でもないんよ ....
犬しか飼った事のない人間が
虫を飼うというのもなかなか無謀な事で
友好の証にピカピカ光る虫をくれた
友人の旦那も彼女に劣らず変人かも知れない

友人が自分の好きな画家にちなんで
虫あるまじ ....
どこかの国の学者さんが
音符の組み合わせを計算して
私達があといくつ
歌を作れるのか発表した

なるほど
人類はそうやって
段々と終わっていくのか

新しい歌の生まれぬ世界で
人々 ....
ふと目に映る風景の
心と言葉の間に
いつでもその姿を見る
夢とも違う
記憶とも違う
しかし既に現実でもなく

雨よ降れ
気の違うほどの激しさで
全てを押し流す濁流となれ
河岸に寄る ....
私は見つめ続けている
いつからかその後ろ姿を
「お前」と私は語りかける
「お前、まだ行くのか」と
それは振り返らない
振り返らない後ろ姿

声の届かぬ孤独
届かぬ声の孤独
雷鳴を合図 ....
全てが終わったかのように
しかしただ何かが足りない
まるで秋のようだ
熱も
冷気も何処へも達しない

諍いのあとの嬌声が
言葉の無意味さを裏付ける
それでも全ては解決せずに
欲望もま ....
可哀相にペンギン
一人になってしまった
強く手を握り締めると
夜の虫が鳴き出す

湿った空気でぱんぱんの
孤独な立体駐車場
壁を照らしたヘッドライトは
あの別れ際の笑顔に似ている
振 ....
夕立の予感をたずさえて
疾走する道
夏は
風が南から来る
雲は見る間にあなたを追い越していく
あなたは風を背にして立ち尽くす

雨が降り出す
あなたは一人だ
さすべき傘など持たず
 ....
おーいおーい
どこ行ったんだぁ
目の前に座る君
おーいおーい
帰って来いよぉ
はかり知れない脳内世界

テーブル挟んでさまよいだして
いつ戻るとも知れない君よ
いまどの辺りにいるのか ....
子供等は夏の一つの決め事に
強くペダルを踏んで応える
走って行く走って行く
そのスピードに迷いはない
止まるな子供等お前等はまだ
前だけを見て振り向くなただ
今来た道に風だけを残す
その ....
テシノ(57)
タイトル カテゴリ Point 日付
シンスキーの世界、その後散文(批評 ...2*09/10/30 11:20
遠雷自由詩209/10/29 21:03
子守唄自由詩309/10/20 18:33
そして彼女は全ての夜に向けて祈った自由詩209/10/19 18:23
ジャック自由詩2*09/10/16 22:01
自由詩0*09/10/15 20:15
プーちゃん寝かせてくれ自由詩4*09/10/11 7:04
夜に木になる自由詩3*09/10/8 11:58
憎悪の巣自由詩109/10/6 19:01
モーリタニアでタコだった頃自由詩5*09/10/1 20:26
祝福自由詩209/9/27 19:16
亡国と私達の行方自由詩109/9/25 11:19
燃えてこの身を自由詩109/9/24 13:18
案山子短歌009/9/16 18:13
頼もしい救世主自由詩5*09/9/13 7:21
ヘイ ドクター!自由詩009/9/11 12:35
月光自由詩3*09/9/10 13:34
無学の飛翔自由詩4*09/9/7 10:40
シンスキーの世界自由詩3*09/9/3 12:35
みんなのうた自由詩4*09/9/2 20:00
浄土ヶ浜自由詩409/9/1 11:50
孤独自由詩109/8/29 7:52
狂気自由詩109/8/26 23:21
ペンギン哀歌自由詩2*09/8/25 18:32
夕立の予感自由詩409/8/22 21:38
しゃっくり自由詩009/8/20 23:50
夏の行軍自由詩1*09/8/19 22:40

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