ひそかに夜は
yozo

ここ数年でどれくらいが息絶えたんだろう。
誰にも聞こえないように呟いてみる
すごく酷いことした気分になる

瞬く街並をただの風景に見下ろしている
最近はドキュメンタリーばかりチクチクと胸を刺す
それだけが真実かなんて分らないのに
低アルコールに慣れた体だから、ちょっとヘビー
泣いたりもする
心臓の奥から赤いのと一緒にジワリと隅々まで痛くなる
耐えられる人達が無意識に暮らしてる世紀かもしれない
流される時の無力感だけ、やけにリアルに毎日が続く
そうか歴史ってそういうことかも

どれくらいの人が住む街なんだろう
夜だというのにせわしなく瞬く。
頼りない息で眠る人の脈も静かに
静かに電光画面で時を刻んでいる
なにか綺麗な音が耳元に響いてればいいなとか
少し強く願ってる
自己満足との差を考えてへこむ
他は知らないけど比べても意味がない
本屋には誰か好きな人が死んでしまう物語が溢れてる

この先どれくらい加速度は増すんだろう
色々な任期は短くてもいいと
アテネの感動に湧く画面を見て気付く
4年て長いから色々起こるんだ
最後は自分との闘いなら余所にちょっかい出す暇も無くなるだろうし。
できるだけ色々な人の可能性とか才能が
思いもかけず花開きますように。と甘いことを考える
ひらめきの感動や成就するってハピネスは
分け隔てなく降り注いだ方がいいに決まってる
出来れば頭上にも。とは、もちろん思ってるし願ってるのが
少し恥ずかしい(内緒にしといて)

上手く使えない言葉にイラついたり
ジグザグに推移する感情に呑まれたりしてる間に
あたり前だけど誰かがたくさん光って、消えてる
それは決して絶望なんかじゃなく
紙に残るようなもんじゃない
ただ、地球中に溢れる泡みたいな気分になる時があって
絶え間なく光るために暗くなる夜に似てる

そうやって明滅のくり返しで出来てんのかな
あの時ほどキラキラしないんだけど



未詩・独白 ひそかに夜は Copyright yozo 2004-09-13 12:29:41
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