わたしの彼はやさしすぎる
あぐり
誠実な優しい彼です
わたしの手を握り/髪を柔らかく撫で
せいじつなやさしいかれです
(こどもはふたりほしいな)
一週間前に付き合い始めたばかりでわたしたちはまだ十九歳
年齢に逃げるわけではないけれど
わたしたちはまだ唇の温度さえ知らない
まったく嫌らしさを感じさせない彼の一言は
わたしのあたまをひやすにはじゅうぶんせいじつ。
(りょこうはさいていでもしんこんりょこうでいこう)
ディズニーランドに興味は無いのって
そう言ったわたしに彼の一言
鈍感なじゅんすいさに逃げてもかまわないの
わたしたちはまだ同じ朝の色さえ知らない
まったく圧力を感じさせない彼の一言は
わたしのあたまをこわすにはじゅうぶんやさしい。
***
けっこんしたくないんです
わたしはおんなになりたくない
こどもなんていらないの(おかあさんだなんてよぶな)
だれにもしばってほしくない
わたしのわわわわたしのせいかつつつつをこわさないで、で、で、
***
((おとこの肌は固いから前の彼との行為の最中ずっとあの子を想ってた))
彼を離すほどにわたしはやさしくなく
彼に理由を語るほどわたしはせいじつじゃない、の
みらいなんて感じさせないで
今、黙って頭を撫でてる
その大きな手だけがわたしには必要
さみしさだけを糧にして
彼の言葉を飲み干している
わたしの彼はやさしくて
せいじつすぎるから
わたし、くるしい
わたし、あいなんてほんとはわかってないんだ
あいしていても
みらいなんていらない わ 。。。
自由詩
わたしの彼はやさしすぎる
Copyright
あぐり
2009-09-16 19:35:02