断章(海を見つめている)
たりぽん(大理 奔)

海沿いに並ぶ発電風車をくぐり抜けて
海風が膝を抱えている

吹かれて揺れる磯の花が
太陽の傾きを数えている

ぼろ布のように絡みつく
影の正体をゴム底に貼り付けたまま

そらを見上げるのがこわい
きっと鳶の飛跡のように
重力から解き放たれた手で
なぎ倒すだろうから

風車が今日を紡いでも
透明すぎて見えないだろう

漁網にからまる海藻を
啄む名も知らぬ鳥

夜半、沖に出るはずの舟は港で眠り

風車を吹き、花を吹くものが
私にも届いて欲しい

海風が膝を抱えている
防風の松林を抜けて





自由詩 断章(海を見つめている) Copyright たりぽん(大理 奔) 2009-08-30 23:22:24
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