「 球形時間。 」
PULL.







球形時間に道端でまるまっていると猫がやってきた。

猫はとなりで球のようにまるまりぐるぐると喉を鳴らしている。

タマと呼ぶと「にゃあ。」と鳴いたので猫はタマになったタマはともだちだ。

タマは今日も球形しているぐるぐると喉を鳴らし球のように。

ふと見回すとまわりは猫ではない球モドキがごろごろしていた。

球モドキはどれも尖った顔をぎすぎすゆがめ球形している。

ゆがんだ球形はどこか見覚えのある球形だったあれは…おれだ。

立ち上がり道いっぱいにぼとぼとと落ちている球モドキを避ける歩く。

後ろで「にゃあ。」と声がしたタマがともだちが「にゃあ。」とまるく呼んでいた。

ふり返りありがとうと言った「にゃあ。」これはタマの球形だった。

背筋を伸ばし背骨をS字にゆがめ歩く球形はまだ身に付かない。












           了。



短歌 「 球形時間。 」 Copyright PULL. 2009-08-26 19:57:20
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