繋がる
小原あき

送り火みたいな花火をした
愛犬は鼻を火傷しそうになり
わたしたちは
少し寂しかった


お盆も終わって
仏様はみんな帰ったけど
納骨の済んでいない魂は
未だここに残っている


泥酔している夢を見た
お酒を供えすぎただろうか
パックの安酒
金のかからないお父さん


スーパーに買い物へ行く度
供物が増えてしまう
食費ひとり分
貯金できないまま


遺影が話しかけてくる
いつもの声
いつもの会話
いつもの癖


少し変わったのは
こめかみの辺りから
脳みそに響く
そんな聞こえ方


無縁だと思っていた
あっちの世界が
少しだけ
繋がり始めた気持ちになる


あっちの世界に
知っている人がいるだけで
そんな気持ちに
なってしまう


そうして
わたしたちは
少しずつ
線香臭くなっていく





自由詩 繋がる Copyright 小原あき 2009-08-21 22:28:09
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