幻のイワシ
番田
僕は結局 あの時は
食べずに高くて手が出なかった その味を思い出しながら
帰り道を歩いた どうして あの時
裏通りの黄色いレストランでは
中に石畳の街の その場所を
着いた海外のホテルに併設された屋根の店で
…
僕は眠りに落ちた
身を沈めながら 向こうに
最果ての地だと そこに出て行くことを思うと
無性に食べなかったイワシは 食べるその味が脳裏に怖くなった
監視しているのか 目の
黒い服を身にまとった人が乾かされているのを見た
夜は続いていくのだろう
行くこの旅はどこまで
前にあってわからないけれど
考えていた そうやって焼き付いて
どこまでも適度な焦げ目がついていて
見本のようだ色々なイワシが
食べなかったのだろうイワシを食べた
魚料理はアメリカのロブスター以来だが
…
今は目に誰かの眺めていた
海があって それを見ていた
離れない様々なことを言葉もないままに
暗闇の思いに考えながら