幻のイワシ
番田 

僕は結局 あの時は
食べずに高くて手が出なかった その味を思い出しながら
帰り道を歩いた どうして あの時
裏通りの黄色いレストランでは
中に石畳の街の その場所を
着いた海外のホテルに併設された屋根の店で



僕は眠りに落ちた
身を沈めながら 向こうに
最果ての地だと そこに出て行くことを思うと
無性に食べなかったイワシは 食べるその味が脳裏に怖くなった
監視しているのか 目の
黒い服を身にまとった人が乾かされているのを見た

夜は続いていくのだろう
行くこの旅はどこまで
前にあってわからないけれど
考えていた そうやって焼き付いて

どこまでも適度な焦げ目がついていて
見本のようだ色々なイワシが
食べなかったのだろうイワシを食べた
魚料理はアメリカのロブスター以来だが



今は目に誰かの眺めていた
海があって それを見ていた
離れない様々なことを言葉もないままに
暗闇の思いに考えながら


自由詩 幻のイワシ Copyright 番田  2009-08-13 03:00:38
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