なつやすみ
大覚アキラ

宇宙で
きみと待ち合わせして
渡しそびれたままの手紙を
きみに渡したい

そしてそこから
もう一度だけ
やりなおしてみたい

終電が終わったあとの
ちいさな水たまりみたいな
駅前のロータリーで
真っ黒な夜空を見上げて

生きるということは
夏休みのおしまいの日を
何千回も
何万回もくりかえすこと

だから
ぼくはいつまでも
帰り道のまっただなかを
ヘッドライトの切れた車で
転がしつづけながら

どこかで
きみともう一度
めぐりあえるのを待とう

永遠にくりかえされる
夏休みのおしまいの日に
ほんとうのおしまいが来るまで


自由詩 なつやすみ Copyright 大覚アキラ 2009-08-13 01:43:22
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