じゃり
砂木

わける血のない石くれ
落ちるものは流れ
焼けたものは渇き
散ったものは滑り
登ったものは尽きる

かざした手からそっと
見続ける月の こうこうと湧く光り
だしてくれとどこかで
牙をむく鼓の紐が
蛍光灯の下
折り重なる虫の死骸の足に
結びつけられている
祈りながら
呪いながら
なすべきあがらいもできず
痛みに耐えられず

知らない冷たい石
泣かないから安心して抱ける
ただれるひところ
握った手もやがて消える

わける血のない石くれよ
募り積もった塵の道






自由詩 じゃり Copyright 砂木 2009-08-07 22:32:30
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