夏の罪
nonya


蝉の声痛すぎて
ロックのような雑音で
上書

罪の汗流したくて
気障ったらしいクーラーを
停止

脳味噌痺れ切って
言葉の切れっ端が散乱するも
放置

胸の奥乾き切って
何気なく口に含んだ
攻撃力を失くした炭酸に
みっともなく噎せ返り
苦笑





傷つけたのは僕ですか?
ぶっ壊したのは僕ですか?
台無しにしたのは僕ですか?
悪いのは僕なんですか?

泣いたのは貴女ですか?
恨んだのは貴女ですか?
立ち直れないのは貴女ですか?
悪くないのは貴女なんですか?

汗が流れ落ちる
しょっぱいけど涙ではない
そんな贅沢なものではない

罪は流れ落ちない
気持ちよく流れ落ちてはくれない
のどちんこにまだぶら下がっている

つぶやきそうになった「ゴメン」
温いサイダアで飲み下した
誤魔化したって無駄無駄
夏はまだ終わっていない





ロックのような雑音
いきなり鳴り止んで
痛すぎる蝉の声
上書



自由詩 夏の罪 Copyright nonya 2009-07-27 23:30:40
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