夜勤明けのガードマンへ
馬野ミキ

コンビニで何弁当を買うの?

のり弁当だろう

図星だ

他のはみんな、

花火の客が 買ってしまったもの。

チンしてる間に、週刊何とかや月刊何とかの表紙を

元野生の狩猟本能で0.1秒に

8.2冊を追う、君は 

ローソンの屋根の概念とかを無視して、

月明かりに  、

照らされている。




ねぇねぇ、おまえ知ってるかい自分のこと?

いつからコンビニでものを買うときにレジでうつむくようになったんだい? 

君は、

いつも君の弁当を温める女の子が三歳の時にお父さんの首吊り死体を見てしまったことがあるって

しらない、ない君は、

月明かりに、



何とかの概念を無視して、照らされて いる。











                                       



                    ●いま






















そうさおまえ最後に一つ、花火が  あがった ろう

赤色灯をナップサックに詰める瞬間に、君

見上げたろう




家族連れや、

浴衣を着たギャーギャーうるさい中学生たちや、

イマドキ竹槍の地元の暴走族や、

ビートたけしが、坂の向こうに消えたあと、

既に国道沿いのモーテルで一回戦を終了したであろうオマエとはまるで別世界に住む恋人たちが、



いなくなった後に








見上げたろう?


















あれは君の花火だ























大切にしなくちゃいけない。
















ローソンの例の、女の子だって














13年振りにまぶたをひらいた せかいで














精一杯の笑顔を いま きみに作ってる。
















花火を
















君の花火を、





















わすれるな。


























君だけがみたんだ、















 く|
 -○-
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自由詩 夜勤明けのガードマンへ Copyright 馬野ミキ 2004-09-07 05:07:14
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