さよなら僕を
ピッピ

一つだけ失くすことより得るものの少なさならばもっと失え



きつねいろチーズケーキにのせすぎたペパーミントのばかあほまぬけ



宇宙から何も来ないと信じながらレモンジュースを挽いて飲む夜



午後三時校門前でスカートの中美女美女になる天気雨



目も鼻もないまっしろな猫のよに真っ暗闇を向かうコンビニ



口でボイスパーカッションの舌打ちでaikoの声を殺すみたいに



誰にも見える場所誰にも見えない場所短いジーンズにちわきにくおどる



かなしみのないなんて定義してしまって逃げ場のないかなしみ自殺



ベロンコニーニョボレージオってギターが言ってるから早く出て



ネコヤナギ咲いた路地裏四つ指の女衒が首を小さくしている



オペラ歌手が死ぬならば私にクレッシェンドをクレッシェンドを



狂っちゃった誰かの手によって両目の上から黒線を引かれる



肩甲骨だってきちんと羽ばたかせることが出来るさよなら僕を


短歌 さよなら僕を Copyright ピッピ 2004-09-07 00:33:50
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