やさしいひとがすき
榊 慧

たすけて、たすけて、ほとけさま
ほとけはやさしい
しんじつの知恵を悟ったもの
ほとけ。
ほとけさま、
わたしはものたりない
のかもしれません
ほとけさま、わたしは、
あいしています ほとけさまをあいしています
ほとけさまが
いないと
わたしは毎日
おきることもできません
わたしは、ほとけさま、
昔、
小公子にあこがれていたのです。
あこがれた
のは、
大きな家やひろい敷地などではなくて、
小公子のようになりたい
と、
あこがれていたのです
ほとけさま、わたしは小公子 とは
まったくちがいます
ほとけさま、
わたしはいろいろきたないもの

じぶんのものとしています
これからふえていくよていです
わたしはくずです
れっとうせいです
さんびゃくよんじゅうにん中ろくじゅうろくいでした
(ていきてすと)。
れっとうせい、です
わたしはおとるところばかり
の にんげんです
ごみです
あるいは、けがらわしいもの、というやつです
ほとけさま
わたしはあなたがいないと生きて
いけません。
ほとけさまは 当然、
わたしがいなくてもなんともありません
わたしは小公子

ように、
このせかいにじぶんがいて、よいこと、
ええとつまり、
わたしがいてくれてよかったということが すこし
でも
ありますか
ありません。(無いでしょう)
うふ、しっています
しっていますよ、わたし
わたし、
ほとけさま、あいしているけど、
とってもとっても、
あいしているけど
ほとけさまをとってもあいしている
けど
あいしているけど、
信じているかと聞かれたら
それは
否 だもの

ほとけさま
ほとけさま、
いちばんあいしてます
けれどわたし
ほとけさまに任すほど
かるくないのだもの
しようがないの
あいしているのに。
( ほとけさま、
やさしいから、すき )





自由詩 やさしいひとがすき Copyright 榊 慧 2009-07-23 22:09:13
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