日蝕
照留 セレン

少し 暗くなると
蝉の声は木の幹に吸い込まれてしまった
真昼の空は夕暮れの顔をして
いきものを迷わせている

雲の隙間
乱れ飛んでいる鳥たちの向こう

太陽は何処までも陽であった
光そのものの色をしていた
蝕まれても輝き 目を射抜いて

目眩している間に
蝉の声が蘇る


自由詩 日蝕 Copyright 照留 セレン 2009-07-22 19:20:11
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