世界中の誰よりもっと
日雇いくん◆hiyatQ6h0c
騒がしい風景は彼のもとを通り過ぎながらじっと様子を伺っていたのだが、焦れたらしく向こうの標的を探しに旅へ出た。助かった彼は一安心して一服茶屋で団子などを平らげていたが飽きてくると立ちあがり西へ西へと歩くことにした。なんでも西の方角には天狗の面がビル群をかいくぐりながら空を飛び、光線のようなものを発しているというので常人は旅を避けなくてはならなかったのだが、彼には避けられない事情があった。歩きながら、師匠の言いつけを思い出す。
──ヨータや、お前は数千年もわしのもとで修行に励み、イタミに耐えてがんばった。感動した!
師匠はその時、いまさら小泉語録などを読んで感動しているらしかったが、余計なツッコミを入れることはしなかった。何にハマッてもいい、幸せならば。と、彼は今までに出会った数千人を超える、生きる希望をなくした日雇い派遣労働者のことを思いつつ、そう念じた。
──で、だ。わしはお前を野に放つことにした。もうわしに残された時間も少ない。お前の人生をこの上わしの道楽につき合わせるわけにもいかんじゃろう。そこでだ、お前には今までに積み重ねてきた秘術を、外科医、もとい下界のもののために奉仕することにつかってほし〜の。そういえばヨータ、ほし〜のあきちゃんと付き合うにはどうしたらいいかのう。わしはのう、ほし〜のちゃんのあの大きな胸に似合わぬ妙に不自然に細い胴に、このあごに蓄えたよく伸びる髭を巻きつけてからあきちゃんの体をコマのように、あ〜れ〜あ〜れ〜と言わせながら回し、回り終わればまた巻きつけ同様にするのが後生の願いなのじゃ。ああ、あきちゃんのあのか細い身体が、このわしのひげに巻きつかんとする時、あきちゃんがその気持ちよさのあまり思わずこう叫ぶのが目に見えるようなのじゃ。ロールミー! ロールユー! オーマーリルーガー!
あんたは変なギャグマンガの読み過ぎではないかと彼は思ったが、やはり師匠にたいしてツッコミを入れる事はなかった。さすがに北海道札幌市中央区南9条西12丁目に生を受けただけのことはあった。そこの産婦人科ではおはようからおやすみまで暮らしを演出したりしなかったりする人をかなりの割合で輩出していたというののだから、彼にもその土地の人間としての誇りというものが強くあった。人間辛抱だ。辛抱すれば花が咲くというものだ。花が咲く、はながさく、は、永作博美は今何してたっけ。イーナーネーで調べないと。彼はCMで外人がしゃべるインターネットという言葉がどうしてもイーナーネーに聞こえてしまうので、面倒くさくなってインターネットのことをイーナーネーと呼ぶ事にしている。そんなことを考えつつもそのうち師匠の回想につきあうのが面倒くさくなった彼は、とにかく西に行かなければならないことになっているんだろうと考えていたので、逆らわずにそうすることにした。
彼が西に向かうに当たって先の師匠から伝えられた事がいくつか教えられたはずだったが、何故か彼にはまったく思い出せなかった。彼はひとたび現場に着くとそれまでの行動の目的や必要にして十分な数々の技を繰り出す事ができるのだが、場所に向かう道中ではそれを思い出せないでいる事が頻繁にあったので、まあこれもいつもの事だろうと軽く考える事にした。ある時などは軽く考えすぎて目的はおろか目的地自体を忘れてしまう事もあった。そんな時はたいてい天界の師匠から声がしておまえは何をしているんじゃと注意が入るので事無きを得るのだが、ひどい時などは師匠がみんなのウマ倶楽部でハシッテホシーノ勝利記念コスプレをしているほしのあきの艶かしい姿態に心を奪われているので注意を与えられずそのままどうしたら行けるのか教えて欲しいくらいの国に行ってしまったりしまわなかったりするのでしかたなくそこの住人として一生を終えたり終えなかったりするので始末に困り、7回生まれ変わった後に目的を達成することもないわけではなかった。対策に困った師匠は彼をいっそのこと破門にして新しい弟子でも取ろうかと七転び八起きもとい七転八倒するのだがそうこうしているうちに時が過ぎ河は流れいつのまにかすべての問題は解決しているのが大方の予想だった。オッズは7回生まれ変わるうちの3回目で目的を思い出すが一番人気の2.8倍だった。そうしたくじはだいたいイギリスの見た事もない街角に売っているそうなのでイギリスに行った事のあるどっかの誰かに聞いて訪ねて回ったり庭ぼうきを野球のバットに見立てて振りまわしていればクリケットのメンバーに入れることももしかしてあるかもよ。さあキミも、BBCワールドでその勇姿を世界中の人に晒してみないかい?
さて、今回は師匠もいない、正確に言うとまだ死んではいないのだが今回から面倒はいっさい見ないし残された人生をお前の監視などに使うのはもったいないわいわしゃこれからほっし〜のあきちゃん(一文字加わった)とユッキーナの区別をつけに東京競馬場に行ってくるわいと大天使ミカエルとかいう者のように甘い香りを残して旅立った、という事でしっかりと2冊で100円もするメモ帳のようなノートに目的地を書きこんだおかげで忘れずに来ることが出来た彼なわけなのだったが、はて空飛ぶ天狗はどこじゃらほいと目を当たり一面に凝らしてみると、果たしてそのような姿はどこからも確認する事は出来なかった。しかたなく彼は天狗が現れるまでこの地にとどまる事を決意し、とりあえず新宿2丁目で新しくオープンしたという24時間1600円というネットルームとかいうところに陣地を置くことにした。そのネットルームにはシャワーもロッカーも備えてあり、当然新宿副都心のビル群からも近いのでそこにいち早くたどり着く事が出来る。いまどきビル群といえば新宿だろう。他に霞ヶ関にもビル群などあるであろうと思われたので、そこにほど近いところなどという選択もあるにはあったが、自分の持ち金だけを残すために日々活躍していらっしゃるエッリートのやんごとなき方々などを助ける義理もそうないだろうと思い取りやめる事にした。それに、新宿近くには代々木がある。代々木といえば日本が世界に誇るべき2大施設がある。日本共産党本部と国立競技場である。日本共産党がなければ派遣切りで日夜苦しんでいらっしゃる労働者の方々をJMIU等の組合活動で支援する事もあまり芳しくなくなってしまうし、そういえば筆者も何年か前に失業保険をもらうために一度助けてもらった事があるが、その後選挙があった際には組合の人を通じてぜひとも我が日本共産党に投票をお願いしたいみたいな事を言われはいわかりましたと二つ返事で引き受けたのはいいのだが投票当日にそのことをレッセフェールがごとく忘れまくり普通に民主党に票を投じたわけ次第なのだが、まあそんな感じだ。もやいにでもまかせておけばいいのかもしれないが今のままではまだまだ規模が小さすぎるだろう。それに国立競技場がなければ、サッカー日本代表が東京で試合を開催したり石原プロが裕次郎何回忌みたいな事をするスペースがなくなってしまう。特に後者は極めて重大な問題で、そのことを軽視すると戦中派や団塊の世代の方々が暴動を起こしかねない危険性がある。その世代の人達を舐めてはいけない。かっては日米同盟という日本にとって少なくとも経済的には大変にありがたーいものを(と小室直樹さんが言ってたよ)アメリカ様が結んでくださるというのにこともあろうによくわからず反対して安田闘争とか中ピ連とか(時代が少し違うかもしれないが筆者にとっては大して変わりはしない)わけのわからない運動を起こして日本中を震撼させたのだから、そのような人達がいつなんどき発狂してわけのわからない運動を起こすか気が気ではない。現に今でもその萌芽は散見され、ロハスだの綾小路きみまろブームだの50代からの田舎暮らしだのわけのわからない事件が方々で頻発しているのだから、くれぐれも用心するに越したことはないわけなのであるわけだが、彼は筆者が先ほどからいろいろと書いていることなどアウトオブザ眼中とかいった感じでとりあえず先に気になっていた永作博美の近況などをgoogle検索などすることにした。
最近のネットカフェには生意気にもWindowsVistaとかいうよくわからないソフトウェア入りのものがある。PCがハイスペックならさして問題ではないらしいのだが、中にはそんなでもないスペックなのにそういったわけのわからないソフトウェアが入っているものもあって、電源を入れ立ちあげたとたんから重くてしかたがない感じになってきて、いちいちイーナーネーイクスプローローとかいうインターネット上のウェブサイトを閲覧する際に使うソフトを起動させる時ですらしばらくの間我慢を強いられていまどき98Seかよもう2009年だぜベイビーなどとささやきながらやむなく2畳ほどの半個室で妄想を申そうなどとほざいてみたり体をくの字にしながら手を突っ張らせて後ろにややそらし手のひらを太陽にかざしてすかしてみたりみなかったりしつつ時間を潰さなければならないのでマジやってらんないっスよ。ねえ店長? 彼はそのような心配にも耐えに耐え永作博美についての検索をはじめた。今はただ耐えるのみだ。人間辛抱だ。辛抱すれば花が咲くというものだ。花が咲く、はながさく、は、永作博美は今何してたっけ。イーナーネーで調べないと。先ほども書いたが念のために言うと彼はCMで外人がしゃべるインターネットという言葉がどうしてもイーナーネーに聞こえてしまうので、面倒くさくなってインターネットのことをイーナーネーと呼ぶ事にしているのだ。大事な事なので、2度言いましたよ。さて彼がイーナーネーで調べると、大した事は書いてなく、普通になんかのドラマに出ていたりCMに出ていたりしたので、そのまま彼は興味をなくし、リクライニングを倒すと急速に意識を失った。
と、彼の元へ、東京競馬場へ向かっているはずの師匠が現れた。あれ師匠どうしたのですかほっし〜のあっき〜な(3文字増えた)ちゃんはどうでしたかと彼が訊ねてみると、
──ああ、ほっし〜のあっき〜な☆(また1文字増えた)ちゃんか、くっそお、皇成のやろう、このわしを差し置いて刺しつ刺されつのお付き合いなどしおってえ、ヨータや、もしかしておまえが引き合わせたのではあるまいな? そんなわけはないか、まあいい話を戻そう。わしはな、確かに府中にあるJRA中央競馬何とか会東京競馬場へ行ったのじゃ。そして人もごったかえす中、今までに培ったあらゆる修行で身につけたチョンリガン、もとい千里眼であの背ばかり高くて競馬中継の司会をやるにふさわしいまさに馬のような顔をしているだけの男、川合俊一と一緒に真面目に仕事に取り組んでいるあの純粋でかわゆ〜いほっし〜のあっき〜なー☆(さらに1文字増えた)ちゃんを見つけたのじゃ。あっきーなー☆(1文字変わった)ちゃんは確かに20代後半から胸が大きくなってこんな年齢になっても胸が成長するんだあなどとどこかのテレビ番組で意味のわからんことをいうこともあるだろう。わざわざ言わなくともいいことを公共の電波を使って言い、かえって世間の疑惑の目を呼び覚ましたりするようなおちゃめなところはある。しかしだ、わしはそのようなことなど露ほども気にしてはおらぬ。問題はだな、ユッキーナ、もといあっきーな〜☆(また1文字変わった)ちゃんがいつわしの髭の魔力のとりこになるのかということじゃ。どうも同じ番組に出ているので口に出すとついゆっきーなー(カタカナに変換するのが面倒になった)と間違ってしまうわい。わしは死力を尽くして彼女(いちいち文字を変えるのが面倒くさくなった)に、悪いとは知りつつ違法なストーカー行為などを行い、いつ彼女がわしのことを受け入れてくれるのかを探ったのじゃ。場合によってはやむを得ず人心操作の秘術も使わなければならぬと覚悟した。弟子を持つものとして、そのような卑怯な手段を用いるなどもっての他なのはわかっておる。しかしだ、しかし、この老境の身の一途な思い、そこいらの若者に負けることなど決して有り得ん。神をも恐れぬ背徳的なことだとわかってはおっても、時にはしかたのないこともあるのじゃ……ヨータよ、この熱く滾らんほどのせつない思い、お前のような若輩者には、いくら言ってもわからんじゃろうなあ。ああ、あああ、ああああああああああああああああああー
そこで目が覚めた。悪夢のせいで彼の身体から大量の汗やら赤いものやら黄色いものやらがあたり一面に広がっていた。彼は数千年の修行で身につけた秘術を口に宿し一瞬で部屋をきれいにしてから、違う秘術で状況を確認することにした。彼の身から秘術が口に宿されると、天井に上空から見た東京近郊図が展開される。何事もないことがはっきりわかった。彼はこれからどれほど待ちつづければいいのかを考えた。考えた。考えた。考えた。結局よくわからなかったので師匠に電話する事にした。先ほどの悪夢のせいで、師匠とは言えあまり話したい気分ではなかったのだが、自分のこれからの身がかかっているのならばそれはやむを得ないことだった。彼は秘術を口にすると中空から黒電話を取り出し、いちいち一つずつ番号を回した。本当はケータイなど使ってもみたいのだが、それをすると何故か師匠にわかってしまい、3日3晩お母さんが手作りしてくれたおやつが食べられないとかしたたかに水の入ったアルマイトのバケツを持って一日中廊下に立っていなくてはいけなくなってしまいいったいぜんたいこんなことまったくアルマイトなどとぼやかなくてはならないなどよくわからない罰ゲームを与えられることもまれではなかった。ましてテレパシーなどといういかにもハイカラなものでも使ったらもう大変である。そんな教えもせぬものなど使いおって貴様はわしの心を読む気なのかこのごんたくれがと言われアイドリング!! のメンバーのうちもっともアイドルらしからぬ谷澤恵里香(滝口ミラがよかったのだがメンバーに残ってほしかったのだが昔の堀ちえみに似ている気がするのだが)らとともにローソンの制服を着て全国キャンペーンなどしなければならなくなってそれはもう面倒くさい事この上ないので、いずれにしてもやむをえないことだった。一回では出なかったので、都合32回ほどいちいちダイヤルを回して師匠が電話に出てくれるのを念じたが、一向に電話がつながる気配はなかった。彼は電話をあきらめ秘術を口に宿して黒電話を中空に引っ込めると、ヒマつぶしにイーナーネーで遊ぶことにした。先ほども書いたが念のために言うと彼はCMで外人がしゃべるインターネットという言葉がどうしてもイーナーネーに聞こえてしまうので、面倒くさくなってインターネットのことをイーナーネーと呼ぶことにしているのだ。大事なことなので3度も言いましたよ。
イーナーネーには下手をすると人生を左右しかねないほどのさまざまな情報が無数にあり、それは数千年に渡って修行を重ねた彼であっても大変に魅力的な事だった。この波に乗り遅れる事はすなわち自らを情報弱者への道へ誘うことを意味するのだ。よく考えれば秘術を使わなければ出来ない事も彼が修行を始めた時ならいくらでもあったが、この科学万能主義の世の中では(ドラえもんなどの藤子F作品のセリフによく出てくる言葉だが別にヒョンヒョロでもかまわないが海の王子ではたぶん出てこないと思われるが魔太郎が来る! ではまず出てこないと思われるがちなみに藤子Aは銀座組だそうで赤塚不二夫のような年を取ったら遊びを引退するような新宿組と違っていつまでも丈夫なのだそうだが赤塚の著書によると赤塚がそのように大変うらやましがってたそうだが)もはや秘術など使わずとも出来ることがいくらでもあったので、今までに修行を重ねてきたことが彼にとっては、ほんの一瞬だけではあったが、なんだかむなしくも思われた。だがいくら修行を重ねてきたからといって過ぎ去った時間は帰っては来ないので、無駄に長生きしただけだ大した事はないと現実逃避する事にして気持ちを切り替え、当座の楽しみに没頭する事にした。彼は度重なる修行の成果で、肉体そのものは20代の若者と変わらなかった。なのでその分性欲も人並み、いやそれ以上あった。彼がPCを駆使して楽しみを求める先は、もちろん魔法の言葉、無料動画、である。世の男性諸君が、PCスキルがあがった要因でダントツの1位に輝くのも頷けるほど(2008年度デイジョブラボラトリー刊世界まるごとどうでもいい知らなくてもいい知ったら損する情報調査年鑑による)、無料動画という言葉はもはや魔法の言葉以上のものがあった。同じような魔法の言葉に出会い系サイトというものもあるが、この場合サクラやネカマもしくは完全無料とは本当に完全無料なのか返信メールには変な料金がかかるのではないかしかも金を払ったら払ったで妙なメールだけが滝のように流れ来てうら若き、まあ別に場合によってはうら若くなくとも我慢しないでもないがむしろ大歓迎なのだが、女子がきちんと待ち合わせ場所にわざわざ来てくださるのか等あらゆる艱難辛苦を乗り越えなければならずそのうちものすごい幸運でもなければそのようなめくるめくパラダイスジャングルに辿りつけないのではないかといういろいろと余計な心配をしなければならないので面倒くさくなるのが通常である。ごく一部は通常でもなんでもなくちゃんと妙齢にして見目麗しい女子の方々に出会えるのかもしれないが、もしそういうの知ってたら、誰か親切に教えろこのイケメンモテモテクソ野郎どもが! (くれぐれも本気にしないように)
さて、彼は無料動画を探すべく、2ちゃんねるのPinkちゃんねるなどで調べた結果海外の大手エロ動画サービスサイトのYourFileHostにアクセスしたが、動画が膨大にある上、英語で書かれているので何をどうやってどうすればいいのか皆目見当がつかなかった。やむなく彼は最初から英語を勉強する事にした。筆者が若い頃は洋物のポルノ小説などというものを読みたいがために英語を勉強する(低劣な頭脳しか持たざるを得ない私には気が遠くなる一方です)などという本が二見書房だったかフランス書院だったか(めんどいのでぐぐらずに書くがまあ系統が似たような出版社なのでさして問題はないだろうないに決まってるそうだそれでいこう反論は聞きません聞きたくないあーいやだ)から出ていたものだったが、まさか数千年の修行を経てこんな事をするなんてまったくもってオシャカさまでも気がつくめえ、などと思いつつ、彼は秘術を口にした。たちまち幾千もの英語学習に関する書籍が中空に現れる。それを彼は、宮崎哲哉が虚空蔵菩薩法を駆使するがごとく次々と読破し、数分後には英語のすべてが理解できるようになった。マスターした知識は常人では計り知れないほど膨大で凄すぎるのでここで紹介する事が出来ないのが残念だがまあそういう設定にしてくださいお願いしますこの通りです。次に彼はYourFileHostに書かれている文章をじっくり読み、どこに目指す無料動画があるのかを探したが、このサイトを見るだけでは目的の、例えば彼は好きではないがサドマゾプレイ(かってレモンピープルという雑誌で一世を風靡した今は単なる一エロ漫画出版社の久保書店発行サスペンス・マガジン系プレイなどといっても差し支えないだろうそういえば小妻要さんとかそのころから書いていた気がした絵描きさんが意外と息が長くて健在だったりするからいまさら驚いたりするまだ描いてたっけあの人あいかわらずめんどいのでまたしてもぐぐらないが)などばかり取り出して楽しむとかそんなような頭の中ではイメージがなんとなく浮かんではいるのだが言葉にしようかとか思うとなかなか出てこないまるで作家志望のあなたが思う作家とはいったい何ですかきちんと定義してくださいみたいな面倒くさいことを言われるがごとく眼前に提示しなければならない問題群として眼前に提示されてきたのでやむなく彼はイーナーネーの検索サイトで検索すなわちズバリようするにぐぐることにした。先ほども書いたがしつこいようだが念のために言うと彼はCMで外人がしゃべるインターネットという言葉がどうしてもイーナーネーに聞こえてしまうので、面倒くさくなってインターネットのことをイーナーネーと呼ぶことにしているのだ。大事なことなので、4度も言いましたよ。4度目ですよ、4度目。すると、とある悪名高い某大手掲示板つまり2ちゃんねるの中にあるPinkちゃんねるというところの半角文字列板とかいうところにYourFileHostについてのスレッドがいくつかあることを発見した。そこで彼は秘術を口にすると、たちまちのうちにスレッドの全内容を把握した。さすがに魔法の言葉である無料動画の力は、数千年の修行を経た者をもたちまちのうちに翻弄する。今ここでこんなものを奇特にも読んでくださっている軽妙にして華麗なる日本の女子諸君も、一度でいいので、幼戯にふけってばかりの愚かなる男子諸君のうちの一人の耳にそっと、この魔法の言葉を囁いてみてほしい。たちまちのうちに彼の心は千々に乱れ彼の身体の体温は急速に上がりやがて沸騰して爆発、大空(おおぞらと書いてソラと読む)のかなたへと消える事必定である。なあにこの男子余りの時代、愚かにして野蛮なる男子の一人や二人消えても屁でもないので、ぜひ一度お試しああれ。
すっかりYourFileHostの魔力にしてやられた彼は数時間ほどで数千年の修行に耐え抜いた肉体を消耗しきっていた。あたりには粘着的にして異様な蜃気楼的匂いを発する白い物体が山のごとく堆く積み上げられていた。秘術を口にすることも極めてタイギ(知る限りだが北海道札幌の一部ではつまり私の父親が使っているのだが面倒なことを何故かタイギとか言う用例は「こんな雪かきはまったくタイギだ」本当はもっと広い地域で使われているのかもしれないがあいかわらずにあいかわらずなのでやはりぐぐらずに書く)であった。しばらく放っといているとそのうちネットルームに勤めているらしき紺のそれっぽい制服を着た若者が彼のいるパーテーションのドアにノックをしてきた。
「もしもし」
「はい、なんすか」
「申し訳ございません、他のお客様から、そちら様の方から生臭い匂いが強くするということだそうですので、料金もだいぶ御延長なさってますし、一回お部屋の方、開けさせていただいてよろしいでしょうか」
やむを得なかったので、彼はまるで自室でおもにマドラーを使う尿道オナニーに耽っていたところへ母親にドアを開けられたような気持ちになりつつ、疲れきった身体にムチを打ち秘術を口にした。たちまち堆く積もった白くやっかいなものが一瞬にして消える。
「どうぞ」
彼の一言で店員によってドアが開けられた。店員は生臭い匂いの原因物質がまるでないことに不審な表情をしたが、気を取りなおし業務連絡を始めた。
「……生臭い匂いは、しないですね」
「そのお客さんの鼻が変だったんじゃないですか」
「どうもそのようですねえ……では、ただいまお客様の滞在時間が12時間を越えていますので、お会計の方一回清算させていただきます。フロントの方へ来ていただけますでしょうか」
「はい」
彼は非常に疲れていたがそのことについてははっきりいって彼に全責任があるが、これからもここを定宿にする予定なのでささいなことで逆らうわけにもいかない。素直に従う事にした。せっかくの楽しみであるイーナーネーから一瞬でも離れることは非常につらいものであったが大人の事情なので仕方がなかった。大人になるということはつらいものである。出来るならばいつまでも子供のままでいて親の金で飯を食い親だけを働かせて自分だけが楽をして好き勝手なことをしたいものであるが残念な事に世の中のしくみはそうなっていないので全国の小中高生のみなさんくれぐれも注意してくださいいつまでもあると思うな親と金はけだし名言である。ちなみに彼はCMで外人がしゃべるインターネットという言葉がどうしてもイーナーネーに聞こえてしまうので、面倒くさくなってインターネットのことをイーナーネーと呼ぶことにしているのだ。もうみのもんたも飽きたので何度目とかはもう書かないことにする。
清算を秘術で済ませた彼はとりあえず数週間分の滞在費も同時に支払うと、腹が減ったことに気がついたのでとりあえず外に出ることにした。もちろんネットルームでも注文すればそれなりの品は出てくるが、この後の無料動画との対決のためには、何がしかの精力をつけておく必要性にかられたのだった。イーナーネーをしているとそのことに夢中になりすぎて腹が減るのも忘れるろいうことはよくある話だと思うが、しばらく呆けていたせいもあって彼の身体はなんらかの栄養物質を欲していた。外に出るとなにやら淫媚な視線を強く発する男子のような方々が幾人かいたのでマジシカトして伊勢丹方面を進んだが、適当な食堂が見当たらなかったので結局吉野家に入った。彼は大盛ねぎだくを注文すると数秒で平らげまた同じものを注文した。また数秒で平らげると同じものを注文した。また数秒で平らげると同じものを注文した。また数秒で平らげると同じものを注文した。また数秒で平らげると同じものを注文した。また数秒で平らげると同じものを注文した。さすがに6杯も平らげるとこれはいっそのこと食べ放題にでも行った方が得だしいろんなものが食べられるしそっちの方がよかったかなどということを一瞬思ったが、一人で行く食べ放題はどこかむなしくそしていじましい感じが彼にはした。彼は以前どこかで適当に捕まえた彼女と一緒に新宿にあるブルマーレという洋食系の食べ放題に行った事があるのだが、そのとき一人きりで延々いちごばかりしつこく食べている30代くらいの女子をがいたのだ。テーブルにぽつんといちごだけが乗っかっている大皿だけを置いている姿が、いかにも異様でよく目立ったのだ。しかもうっかりいちごを口いっぱいに頬張る彼女とバッチリ目があったからたまらない。いたたまれなくなった彼は必死に彼女の方を向きなんとかその女子の注目をかわそうとしたものだった。そのことを思うと、一人で絶対に食べ放題など行かない、行きたくない、行ってたまるかという気持ちが強く起こるのを禁じえなかった。まあ筆者は得であればいいので一人でも平気で食べ放題に行くのだが、トシを取ってもう食べられなくなったのでそれが非常に悔しい限りである。若い頃に戻りたいとか思わないが、もしたくさん食べられる身体になれるならぜひとも若い頃に戻りたいものである。そして韓国留学でもしてトゥセヨトゥセヨと下宿のおかみに死ぬほど料理を出してもらいたいものである。韓国ではたくさん食べるほどえらいみたいな風潮があると本で読んだ事があるのだが、筆者もなぜかそれを信じている。たくさん食べないやつはきっと食べてる時間や食べ物の消化の時間などをリストラクチャリングしてなにか得体の知れない悪だくみを企んでいるにちがいないのである。たくさん食べて頭に血が回らないくらいになれば悪い事など考えないのである、と勝手に思っている。そうだそうに違いないそのとおり。ということで彼はたくさん食べて胃がすっかり重くなったのでとりあえず菓子をもとい河岸を変えその辺の適当な飲み屋へ入った。
注文をとりあえずビールですませると彼はしばしぼうっとした。そしてふと天井付近にあるテレビを見た。何かのニュースが流れていた。見ると天狗のお面である。空飛ぶ天狗が現れたのである。彼は場所を知るべくアナウンサーの発する音声を一字一句聞き漏らさぬように努めた。場所は新宿から離れた六本木の、ヒルズやらなんとかビルやらのビル群が林立する、2009年に入ってもバブルを忘れない貴重な地域であった。彼は一瞬秘術を使って瞬間移動しようかと考えたが、疲れていたし地域が地域なので腹立たしい人間しかいないだろうから急いで助ける義理もないだろうと踏み取りやめる事にした。空飛ぶ天狗の放つ光線はなかなか美しく、光線のひ弱い光が乱反射するさまが夕焼けのごときグラデーションを思わせた。当たり前のように人もいくらか犠牲になっているようだった。彼はあとでネットルームに帰ったら、この事件のことを、もう一回無料動画をたっぷり楽しんだ後、イーナーネーの大手ポータルサイトであるヤフーでゆっくり調べようと思った。ちなみに彼はCMで外人がしゃべるインターネットという言葉がどうしてもイーナーネーに聞こえてしまうので、面倒くさくなってインターネットのことをイーナーネーと呼ぶことにしているのだ。