ロールオーバー
霜天

流れ込むように
止まれない足元は
回転する音を
通り過ぎた重みを含ませながら
響かせている

夏に
焼ける
アスファルトが靴底を溶かしている
積みあがる積木の街
冷めないままで
通り過ぎたのは昨日
空が少し高くなって
張り付いた足がまた回転していく


空が
見える
一定の繰り返しの一回転
青かったり暗かったり水滴だったり
数え切れない青を通り過ぎた頃
夢に
覚めないままで
もう季節はどこだろう


ロールオーバー
止まれない僕等の回転は
今、何回目でしょう
ずっと前から誰かに連なって
誰かが前と言った方へと
足元は回転して
繰り返される空を眺めています
僕等は今どこだろう

ロールオーバー
転がり
ぶつかる


自由詩 ロールオーバー Copyright 霜天 2004-09-06 02:17:06
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