感電
純太

フゥー…ンと

電気で動く電車は走る


「兄弟仁義」を歌う
酔っぱらいのオジさん乗せて

オジさんをを見つめているのはサラリーマン
プリンスホテルの紙袋をぶら下げて

その紙袋を見つめているのは
少し離れた場所の座席に座っているOL
すぐにメールを打ち始めたが

その彼女の携帯電話を見て
自分の携帯電話をバックから取り出したのは
清楚な婦人
寝てしまったが子供がひざまくら

そしてその婦人をたまに流し目で見ているのは
「兄弟仁義」を放電しているオジさん
500ml缶のビールを飲みながら

世は並列の感電だから面白い
地球も回り
思いも回る


フゥー…ンと

電気で動く電車は走る


自由詩 感電 Copyright 純太 2004-09-05 23:16:32
notebook Home 戻る