奇妙なコード進行
こめ

再会と別れが出会う街で

すれちがう人は他人ではなかった

魂が抜けたように

それでも旗をふり続ける

工事現場の機械人形

それもたまにはいいけれど

縮んだ雪だるまになど

断片的な仲裁しかできることはない

瓦礫のしたから飛び出した

新しい生物に拍手を送る

アンケートをとって

そのナンバーワンを

はいひーるの踵で踏みにじる

何度も羽根がなくても

東京タワーの天辺から飛び出した

それは己の力を信じていたかったら

グランドの真ん中で転がる

哀愁ただようサッカーボールに

歪みの手足をもれなくプレゼント

ガミガミ煩い赤鬼には

ヘソの腐ったゴマでも挙げれば

ほいほいついてきやがった

明るい方にとんでいる蛾は

炎の誘惑に負けて

灼熱の中に身を投げていた

辛いのはそこに多数決があるから

たからばこの中にはいつまでたっても

奇妙なコード進行の曲がながれていた



自由詩 奇妙なコード進行 Copyright こめ 2009-06-30 01:02:19
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