中原 那由多

光の跡を指で辿って
途切れては、また
切なる時間の中にいる


瞬きに願いを乗せることもなく


水面に寄り添うのは
想いが透き通るから


清水に耳を傾けるのは
貴方の声を求めてしまわぬように


この数多の瞬きが永遠ならば
私は逢いに行けたのだろうか
掌の光はすっと
夜とひとつになった


振り返れば貴方がいないかと
儚い導きに遠い幻想を抱く
奇跡の上であったなら
どうして一瞬を詠うことができないか




ただ、蛍のように……




自由詩Copyright 中原 那由多 2009-06-16 17:40:26
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