古道具屋
あおば


              090610




小次郎が
きびすを返す
刀を片手に
さっさと歩く
抜刀して歩くのは
人の体力には余るのだと
今の人は言うかも知れない
今の人は何でも計算して
適当な答えを用意する
刀で切られたことがないから
そんなことを計算できるのだ
おまえは切られたのだ
武蔵は悠然と構えて睨み付ける
おまえはその気迫に驚いて立ち止まり
蝦蟇口を拡げ
不足分をローンに出来ないかと
相談を持ちかけるが
信用のないものには
貸せないと
武蔵にも言われ
少しむくれて
古道具屋を出る


自由詩 古道具屋 Copyright あおば 2009-06-10 08:31:58
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