却來 -day by day-
悠祈
はたと醒めては朝を呪い
ふと我に返っては白昼に佇む
夜な夜な待てども、愛想もない
ちぎれた写真を並べても
知らない顔があるばかり
いつからだろう
こんなにも笑わなくなったのは
慣れないお酒を口にして
吸いもしない煙草に火をつける
誰にもなれないことに
気付かぬ振りをして
顔のない過去へ
忘却の果てへと呑み込まれてゆく
触れる術も知らぬまま
誰の心に掌を差し伸べてきたのだろう
触れる術を知りながら
己の心に掌を差し伸べることもなく
夢を見ない夢が終わり
夢を見ていた夢も終わろうとしている
これからの過去と
これまでの未來が
傷だらけの容れもので啼いている
あしたが何処からやってくるのかなんて
誰にもわかりはしない
それでも
いくつもの朝をよろこび
いくつもの昼にまどろみ
いくつもの夜を越えて、飛べるだろうか
やつれた空に嘘と涙をばら撒いたなら
わたしは、わたしに逢いに行こう