却來 -day by day-
悠祈

はたと醒めては朝を呪い
ふと我に返っては白昼に佇む
夜な夜な待てども、愛想もない

ちぎれた写真を並べても
知らない顔があるばかり
いつからだろう
こんなにも笑わなくなったのは

慣れないお酒を口にして
吸いもしない煙草に火をつける
誰にもなれないことに
気付かぬ振りをして
顔のない過去へ
忘却の果てへと呑み込まれてゆく

触れる術も知らぬまま
誰の心に掌を差し伸べてきたのだろう

触れる術を知りながら
己の心に掌を差し伸べることもなく

夢を見ない夢が終わり
夢を見ていた夢も終わろうとしている

これからの過去と
これまでの未來が
傷だらけの容れもので啼いている
あしたが何処からやってくるのかなんて
誰にもわかりはしない

それでも

いくつもの朝をよろこび
いくつもの昼にまどろみ
いくつもの夜を越えて、飛べるだろうか

やつれた空に嘘と涙をばら撒いたなら

わたしは、わたしに逢いに行こう





自由詩 却來 -day by day- Copyright 悠祈 2009-05-30 03:58:44
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