そして愛の歌
みつべえ

プレゼントしよう

占領された暗い地図に
閉ざされてある
吹雪の愛を

あてどない水の記憶に
映っている
銀色の伝説を

それとも遠い空で
黙殺された
真実の吃音を

いいえ

背中を撫ぜる細い悪寒が
歩行の習性にめざめて
くりかえす
病的な花々を

いいえ いいえ

なんにもあげないという
狂熱の決意を その朝を
破滅のはじまりのような
夢の極彩色で飾りたて

きみに




自由詩 そして愛の歌 Copyright みつべえ 2004-08-30 08:00:34
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