gift
依
プラスチック
展示ケースの中の身体
柔らかに保存された眼球に
尊いという意味の
生きる日が見えるようで
僕らはただ
神様を思い出した
しなやかに
細胞は明日へと伸び
計算されつくされた
神経系の論理の糸は
笑って泣くために曲線を描く
その世界の全てから
命はいつでも最善を選ぶ
生きようとするために
死んでいくものがあるのは
やるせないほど悲しいけれど
プログラムに従って
いなくなった細胞たちは
今ごろ幸せにしているだろうか
買えないものも
代えられないものも
最初から持っていたのだ
持て余すほどの贈り物
それでも僕らは
傷つけながら生きるのだね
楽園を去る彼らに言えること
例えばこんな言葉かも知れない
「くれぐれも」
その身体を大切にしてくれと