Rへえへくくらへら
kauzak

夏の縁側に腰かけて
入道雲が真っ青な空に湧き上がるのを
見ている

背後の部屋は暗くて
ひんやりとしていて

もらい物の生菓子を食べようと
手を伸ばした瞬間

チリリ

(一陣の風に啼いた風鈴の音にさらわれる

 裏返る世界
 宇宙から地球を眺めている
 漂っている

リン

現実に引き戻される
僕は手にした生菓子の封を開けようとして
固まっていたようで

袋を破ろうと再び動き出した手が
目に飛び込んできた文字に
縫い付けられてまた止まる

Rへえへくくらへら

入道雲はさらに育ち続けて
もうすぐ零れてしまいそうだ
世界の秘密も
冗談のような製造番号も


自由詩 Rへえへくくらへら Copyright kauzak 2009-05-10 22:23:07
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