ゆげ
ロリータ℃。







ぱしゃり、と水音をたてて
あなたは私を抱きしめる
二人きりのぬるま湯に浸っていると
まるで双子のようだと思った



「交わることのなかった二人が
一瞬だけ出会えてしまった運命だったね」



あなたは私の肩や背中に舌を滑らせ
声も出せずに泣いていた
もしかしたらこれは、母のきもちに似ているのかもしれません
ぎゅうっと手を繋いであやすように大丈夫よと囁いた



うまく一人に戻れるように
私はあなたに体を預けた
私の生きてる太ももや白い指はあなたの心を癒やすだろう
どうか僅かな慰めになれますように




(もうここには何もないけど、)



愛された思い出は
けして忘れはしないものです
きっと二人が交わることはないけれど
寂しい夜にはきっと私を思い出す
そう思った瞬間に
救われるのは私のほうだと気づいて少し笑った
あなたをこんなにも愛してた
空っぽのさみしい心で










自由詩 ゆげ Copyright ロリータ℃。 2009-05-08 22:17:49
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