ほおずきが夜を歩くとき、猫が厭世を評する
竜門勇気


爪ばかりが淡く さめざめ道に砂を撒く太平
酔いつぶれて目が覚めた 草の無い海の中で裸で
覚束は開いてる 影の無い眼底で
連続しては 平たく均す 見栄えのある風景

崩れていけば なしのつぶて
ガラスに刺さる 暮れない が
気持ちのフラスコのそこで 暴発を支配している

ほおずきが夜を歩くとき
誰かがそっと琴を砕く
月があの山を裏返すころ
猫が厭世を評する

銀河の光線には 笄の雨嵐 耐えた背に原を書く太陽
思い焦がれて日が振れた 鈍く画を汲む腹で裸で
酸漿は磨いてる それと無い岩全も
点滅しては 宣誓ならず 小声壊す遊説

ほおずきが手をいたく縊る
切り崩そうと元を戻す
口が概念を繰り返すころ
猫が厭世を御す


自由詩 ほおずきが夜を歩くとき、猫が厭世を評する Copyright 竜門勇気 2009-05-06 02:29:57
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