空いた土地
プテラノドン

かつて空き地だった道路を前にして、
置き石のようにガードレールに座った君よ!

軽トラックが、廃棄解体寸前のオーディオを
山ほど抱えて走っていく。死んだも同然。とはいえ、
車輪の音とともに虫の息で奏でられるラストオブミュージック。
それは、エンドレス。自転車の荷台に座った君に
披露された母親の鼻歌。ーランドセルを背負った
少年はその秘密を解明できない。空き地で目にした、
ショベルカーの掌に溜まっていた水のなかで
雀が水を浴び、そしてサンライズ世の中
追憶の芽となり芽吹く日をー、今の今まで。




自由詩 空いた土地 Copyright プテラノドン 2009-03-20 08:21:46
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