灰皿
あおば

              090315





灰皿は
投げつけるものと決まっておりまする
灰皿をザリザリ擦り
ザリザリと
ザリザリがザリザリと
ザリザリするから
地球の自転が狂うのだ!

回転する物体が
投げつけられて目を覚ます

昨日極楽今日煉獄と
見てきたような4cを言う
灰皿ザリザリ投げつけて
投げたお財布あの子のものと
ざりざり言っては
金拾う

二つの地球が
逆さまに
酔ったお客に言い寄られ
仕方がないので背負い投げ
だらりと垂れた借金漬けの
目玉の上にも灰皿が
ごつんと当たって
目が覚めた

醒めたお客はけちんぼで
お足がないので歩きだし
灰皿ザリザリネコヤナギ
垂れた小枝に殺された






初出、「poenique」の「即興ゴルコンダ」、タイトルは、小原 明さん。





自由詩 灰皿 Copyright あおば 2009-03-15 23:55:21
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