わかれのかたち
夏嶋 真子





キミがわたしのこと
「旅してるみたい。」
そう言ってくれたから


キミと一緒に
キミの言葉たちと一緒に
一夜の旅に出かけたんだ。

わたしが風景をめくりながら
「遠くへ。この世界の一番遠くへ行こう」
と言ったら


キミの言葉たちが
クスクス笑って
「じゃあ、観覧車に乗ろうよ。」
って言う。


グルグルグルグル、何周もしながら
キミの話を聞くうちに

この世界の一番遠くは
わたしが、今立っているこの足元だって
教えられた気がする。


有限個数のキミの言葉は
日常を旅しながら
無限に遠くまで語りかけてくる。
わたしの足元に。


夜明けがきて
観覧車をおりて
キミとの旅もこれで終わり


わかれのかたちは、車輪のよう。
めぐりながら、めぐり合う
幾度も幾度も。


さようなら。
こんにちは。


わたしはキミを待ったりしないよ。


今日も会いに行くんだ、
キミの言葉の中に。



携帯写真+詩 わかれのかたち Copyright 夏嶋 真子 2009-03-14 09:24:01
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