冬を見送る子
昏(ヤッカ)

とうとう雲雀がやって来て
春の幕を落としていった。

雪の下からのぞいた蕗は
眩しそうに太陽を見上げた。

早起きの蛙は
仄かに色づいた風に見とれた。

ずっと待ってた木々も
それを知って
喜んだけど

小さな新芽は
冬を見送る人が
誰もいないのに気づいて
去っていく冬を
ずっと、じっと
見届けていた。

(みんな、始まっていけ)


自由詩 冬を見送る子 Copyright 昏(ヤッカ) 2009-03-10 20:15:16
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