Tokyo Wonder Monday
K.SATO

郊外の電車はぎゅうぎゅう詰めで
東京に出るための人たちで 
引っ越した僕もこれからはそのひとりで そんなふうに
名前も知らない女の子の体を感じている

カタコトカタコト…

だけど柔らかかったのはオッサンであって
太鼓のようなビール腹で 
女の子の胸ではない けれど
やせ細った骨は痛いんだ それで よしとして

しかし眠気がどんどん襲ってくる
オッサンから瞼 僕の頭の中へ引込まれていく
引込まれていくとき 良い。 なんとなく気持ちが
気持ちにそうではないとしても良くならされていくような頭に
プシュと扉が開いた音が聞こえて

女の子から渡される紙は
今日の仕事 やさしい体ではなく ああ
やさしいビール腹でもなく 抱かれるようにして 女の子に
冷たい笑顔に 営業車に閉じこめられて 街の光を通り抜けていく


自由詩 Tokyo Wonder Monday Copyright K.SATO 2009-03-09 12:58:21
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