修羅を読む(2)
Giton

七つ森 水の中より明るくて
ぽしやぽしやしづむ膠質ゼルのかなたに

    ☆

パリパリの朝の小枝にぶらさがる
硝子のわかもの そら透きとほす

    ☆


蒼海の
雲はリチウムの焔あげ
褐藻原に苦扁桃匂ふ

    ☆

あを暗き天頂遠く
伸び上がる鱗木の森
そら荒さみ 人も雲雀も
異世界の地平線へと
吸ひこまれ行く

(反歌)
瑠璃色のつめたい板に はさまれて
ふるへる雲雀 かあいさうです

    ☆

指赤き貧しき子らに
現れし詩の氷神は
恥ぢて消えるのみ


短歌 修羅を読む(2) Copyright Giton 2009-03-09 02:51:46
notebook Home 戻る  過去 未来