散逸
しべ

ほんの3秒

滝のような緑
雨 渦の奔放
端然と崩れた花の色
不意の風通し
5時も近い

とん
 木の 戸
アルミが散り散りはぜて
蛍光灯は暗い

錆の筆触で朽ちた輪郭
車庫が黙る薄荷の空

塗炭の壁もコカコーラも
把握するには指が冷えてて

串刺し味噌
焼き饅頭と
あと

人も乗せず僕も乗らず
お茶と一緒に温まる

晴れ間も
信号機の澄んだ音色も
まるで交々

まるで

ずっと


自由詩 散逸 Copyright しべ 2009-03-08 22:59:57
notebook Home 戻る  過去 未来