リトルミンツ
アヅサ



もう手放さないといけない
ばらのようなほほえみが懐かしい
手のひらの上の海で
神様を泳がせていたころもあった
僕らの瞳はシベリアの氷みたいに
青くつめたくとがっていたね


黒いくせ毛をなでながら
君の隣で宇宙の果てをみていた
遠いと思った星にも
手が届かないわけではなかった
ただあのときは
それにまだ気づかなかっただけ
瞳のうらにちいさなリゲルを
あつくあつく焼き付けていた


まだ涙は流さないでいたい
でも操縦はまちがえたくない
蝶々のりんぷんが星屑みたいに
僕のつま先をくすぐるけど
でもわすれないでいたい
君の頬がまだ桃色であること
青い空はどこへでもいける絨毯で
神様なんかどこにもいないってこと



自由詩 リトルミンツ Copyright アヅサ 2009-03-07 19:00:12
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