霧衣
湾鶴


輝くものを見たくなかった
カラスの爪ばかり目について
喉が渇く

霧の羽
霧の懐へと
破れた服ぶらさげて

肉はいらない
がらんどう・・・夜の雫は
朝の湿った空気へと
山からは汽笛
ここから騒音が始まる
深く敷布団へ潜り込む

輝くものを見たくなかった
プランターの土ばかり目について
喉が震える


自由詩 霧衣 Copyright 湾鶴 2004-08-21 12:36:29
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