吐息は天にのぼる
こめ

キラキラと雪の結晶が落ちていく

寒いこの季節に僕は人恋しく

あなたに会いたいけど

どうしても届かない位置にいるあなた

僕の心に刻まれた深い深い傷は

今も癒えぬまま

あの頃の楽しい思い出を閉じこめる

吐く息は白くゆっくりと白い

吐息は天に上っていく

この君の居ない世界で過ごす

冷たい季節は体に応えるよ

忘れずにいてくれませんか愛しい人

聞こえますかこの雪つもる深夜の公園で

あなただけに聞かせたかった歌を歌う声は

あなたと巡りあった世界は

何も知らず回っていく

たくさんの日が過ぎる

僕は伝えたいから探す

あなたが笑って待ってくれる

寒いきれいなダイアモンドダストが降り注ぐ

誰もいない街灯のところへ

日が昇る

そろそろこの街からでないとな

さよならとともに

一人で作った雪だるまは

静かに物語を語る


自由詩 吐息は天にのぼる Copyright こめ 2009-03-03 23:38:57
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