【ゆきおんな】
つむじまがり

どうか私に惚れないで下さい

あなたとは結ばれることは決してないのですから
どんなに想いは通じていても住む世界が違うのです
それは許されないことなのです

どうか私に惚れないで下さい

きっとあなたは幻滅します
そして激しい自己嫌悪に陥ります
そんなあなたを私は見たくはないのです

どうか私に惚れないで下さい

私は 溶けてしまっても良いのです
風に飛ばされ 消えてしまっても良いのです
誰かに踏みつけられ、汚され、ベチャベチャになっても良いのです
それが私の姿です

だから
どうか私に惚れないで下さい

あなたの暖かな心に触れても私は溶けることはありません
あなたの暖かな唇に触れても私は溶けることはありません
あなたに強く抱きしめられても私は溶けることはありません

それでも
どうか私に惚れないで下さい


もうそろそろ風が吹きます

さようなら

あなたの視界は真っ白になります

さようなら

その風が止んだとき、あなたは私を忘れています

さようなら

明日は   晴れるそうです

さようなら

さようなら





自由詩 【ゆきおんな】 Copyright つむじまがり 2009-03-03 11:01:31
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