時経りて
前澤 薫
ああ、陶酔の果ては
干からびた礫のよう。
時
経
(
ふ
)
るごとに色褪せ、
あなたの固く締まった乳首は
砂粒となり散ってしまった。
赤く爛れた夕陽は、
あなたを染めた
最後の証のように欲深い。
あなたの肌は
黄金
(
きん
)
に照らされ、
双眸は漆黒の欲望を湛えていた。
そして、暫くすれば陽は落ちゆき、
色彩は全く失われ、
一日の
終
(
つい
)
が訪れる。
自由詩
時経りて
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前澤 薫
2009-03-02 10:01:58
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