砂浜
松本 涼



見えないくらいの
細かい雨が降っていた


砂浜で足音を忍ばせていた僕には
とても好都合だ


しかし砂浜はいっこうに雨を吸い込まない



人工なのだ



海は僕と雨に備えて
ずっと前から用意をしていたらしい



海はいつになれば
僕を受け入れるのだろう



僕は次第に
失なわれていくというのに



自由詩 砂浜 Copyright 松本 涼 2004-08-18 23:10:15
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