派遣
ふう

 
やさしくて 
ことば は 壊れて 
きらきら 
わらうのがくせで 
ああ、いいこだねって 
かんけいないところでささやかれて 
でも、レジに入金して 
もどってきたら 
あなた、見てなかったかなって 
さがしてしまうよ 
たいせつなことは 
いつも足早にすぎさっているのに 
なんで泣いたりするの 
なんで死んだりするの 
わたしは 呼ばれて また わらう
たいせつなことは 
いつもあなたから
その眼はびいだまなんかじゃなかったって 
安心した唇がもどらないから 
こんなかおなの 
いらしゃいませ、 
わたしは 
もう二度と受け入れることが出来ずに
風をさわがせながら 
それでもまっとうしたいと 
ささやかな影を這わせ、 
それでもしきりに日陰をつくり 
旅人をやすませたりして 
おなじ水を飲み 
おなじ行き先を見つめ 
そして追い風ならいい 
それでも 
凪いで 
凪いでしまった日に 
この地を出よう 
あの子はね 
遠くで耳打ち 
わたしはふかくおじぎをし  
思い出すことはない 
 
 
 


自由詩 派遣 Copyright ふう 2004-08-18 21:20:25
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