ネガイ。

ネェ、お願いだから。私が代わりにいっぱい泣いてあげるから、泣かないでほしい。

もう君は応えてくれないから。終わりだよね、慰めることできない。

冷たい君の指ばかり思い出しては、なぞる。

君が電話しながら坂を下る。

うつむいてこっちに視線を飛ばす。

応えてくれないことはわかってるのに。

最近、ずっと君のことばかり思い出すんだ。

文字を書こうとすると君のことばかり思い出すんだ。

ネェ、早く忘れたい。


少ししかない思い出ばかり並べたってなんになるのさ。

君のぬくもりが、薄っぺらく揺らいでいる。


あぁ、冬だね。


自由詩 ネガイ。 Copyright  2009-02-11 23:23:54
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