黙して目す
邦秋

僕も潜在的な この手と足を
怪我をさせてみようか
「速度」に置いていかせた
素直さをきっと取り戻すため

走り続けてきたなら
突然停まらないほうがいい
流れて見えていた景色に
ふと目を向けたくなるから

走り続けてきたから
振り切れてきたモノやコト
それらは急に追いつけるし
すぐさま自分を覆ってしまえる

今、何が正しくて、
何が必要なのかがわからなくなって

服が要らない体なのか服を着た裸かも
わからなくなって

黙々刻々と時間が流れているならいっそ
僕も潜在的なこの手と足を
怪我をさせてみようか

僕も潜在的な
この手と足を怪我をさせてみようか?

それで
「速度」に置いていかせた
素直さを取り戻せるのだろうか

さぁ、黙して目す瞬間(とき)がきた


自由詩 黙して目す Copyright 邦秋 2009-02-11 12:39:23
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