シャノン・ハガーについて。
虹村 凌

彼女は背が高い。
その所為か、いつも薄べったいデッキシューズを履いている。
ラバーソールを履いた俺よりも、少し大きい。

彼女はサバサバしている。
誰とでも分け隔て無く喋るし、よく笑う。
女の子と一緒にいるのを、みた事がないくらいだ。
それでも、ちっとも媚びた感じがしない。

彼女は細い。
細すぎとは言えないが、それでも細身の彼女は、
少し似合わない大きな胸を、Tシャツで包んでいる。
昨日は、珍しくピンク色の女の子らしいTシャツを着ていて、
とても可愛かった。

彼女は派手じゃない。
地味とも言えるかも知れない。
いつも、ぺったんこのデッキシューズ、青いスキニージーンズ、
Tシャツ、その上にネルシャツを羽織って、いる。
色も明るい原色系なんかは間違っても着ない。
あまり長くない金色の髪を、時々後ろで小さく縛っている。

彼女は美人じゃない。
彼女は美人では無い。美しい訳じゃない。そして可愛い訳じゃない。
何らかの欠落による美しさだとか、そういう事でもない。
もしかしたら可愛くないのかも知れない。
それでも、彼女は僕の目を引きつけるのだ。


自由詩 シャノン・ハガーについて。 Copyright 虹村 凌 2009-02-07 11:29:31
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