風呂場から、浴槽にお湯が溜まっていく、柔らかく鈍重な音がする。俺はシャツを靴下を脱ぎ捨て、ズボンのベルトを外してから、買ったばかりのピースに火をつけた。柔らかい煙が、薄暗い部屋に広がっていった。カー ....  あまり会話の無いまま、駅の改札口に着いた。大勢の人間が、無造作に出たり入ったりしている。前に誰かが、水族館みたいだな、と言っていたのを、いつも思い出す。確かに、色んな種類の人間が、ちょっとずつ違う表 ....  端から見たら、随分と間の抜けた画なんだろうな、と思う。この逆なら、今までに何度か見て来たけれど、今のこの状況、男が泣いていて女が慰めていると言うのは、俺は見た事が無い。何だかおかしくなってしまう。自 ....  別に、泣く事を堪えていた訳じゃないと思う。感情を押し殺して生きていた訳じゃないと思う。ただ、感動する事が、少なくなっていたんだと思う。何事にも動じない、と言えば聞こえはいいが、結局は無感動と言う、あ ....  生ぬるい風が、ジャケットを抱えた脇の下を通っていく。ションベン横町と呼ばれる薄汚い通りの入り口にある喫茶店を出て、俺は人気の少ない方に歩き出した。咄嗟に良い場所が思いつかないが、とりあえず駅から離れ .... 「いえ、そういう事でも無いんですが、違わなくないような」
 俺は返す言葉に詰まり、珈琲カップを持ち上げてから、さっきその珈琲を飲み干した事に気付き、汗だくになったグラスの水を、一気に飲み干した。氷 ....
 特に面白い事も無かった今日の業務を終えて、ロッカールームで着替える。館内全面禁煙、路上も全て禁煙なので、早いとこ駅前で煙草を吸いたい。何度か、外に出た瞬間に煙草に火をつけて、白い目で見られた事がある .... 六畳に敷かれた万年床に横たわって
彼女は幸せだと呟いた
彼女の彼氏が会社に向かうのを
俺と二人で見送った後に
彼女は六畳に敷かれた万年床で
幸せだと呟いた

その日はセックスはしなかった ....
いつか高田馬場の駅前広場で
スーツを着て歌うんだ

我慢ならねぇ事が多過ぎる
誰かが言った
「我慢するんだ」
僕は叫ぶ
「我慢するよ」

アルバイトの説明会場の中に充満した
お金お金お金
生活生活生活
毎日毎日毎日
その空気に軽い吐き気を覚えながら
全てを終 ....
遠くのビルの上の方でざわめく航空標識の赤い燈が
少しも愛情を感じさせない顔つきで
「愛してる」
と言ったお前に見えた

僕の希望がお前の希望を犯して蝕んでいく

原点から点々と点が伸びて ....
もう一度冬の夜中を越えて
朝を迎えにいけたら
二人で昼寝をしよう

夜の次には必ず朝が来る
何て思って安心して寝てしまうより
朝が来ない事に怯えたり
狂った朝が訪れる事を恐れたりしながら ....
卵白がどろりと流れていく 自分を自分で部屋に閉じこめたまま世界を変えようとするなんて
あまりにも馬鹿馬鹿しいじゃないか
一緒に歌うテロリストになって
学校のトイレを塗装しにいこう
天井と壁と床を真っ黒に
便 ....
例えばこの手の中に拳銃があるとする
リボルバーの中には1発の弾丸が込められているとする
そうしたらその拳銃を
一体何に突きつけたいのだろう

前から一撃が欲しかった
総ての苛々と ....
誰もいない部屋で一人
セルフポートレイトを撮る
ガシャリとシャッターが切り取る空間に
閉じこめられていく

拳銃が欲しいんだ
マシューは笑いながら何かを喋っている
どうせラリってんだ
そりゃ学校もクビになるさ

抜けるような青空が広がっている
学校をサボるのは昨日から決めてたけど
こんなにも天気がいいのなら
ど ....
魚よりも自由に水の中を泳ぎまわりたくて
馬よりも自由に草原を駆け回りたくて
狂ったように吹き荒れる窓の外を眺めながら
ずっと煙草を吸っているよ

鳥が自由じゃないのは知ってるし
死ぬまで泳 ....
教室の蛍光灯を全部ブラックライトにして
みんなのシャツを真っ白く浮かび上がらせてやろうぜ
ノートも教科書も薄青く光って
きっと楽しいから

公衆便所の便器を全てショッキングピンクにしてやろう ....
トチ狂ったフリをして黒人にニガーって言って歩こうぜ
トチ狂ったフリをして白人にレッドネックって叫ぼうぜ
トチ狂ったフリをして真っ白いスーツ着てカレーうどん早食いしようぜ
トチ狂ったフリをして女子 ....
みんなが何を言ってるのかわからねぇ
目に飛び込んでくる記号が日本語で
それぞれの言葉の意味は理解出来ても
それが重なっていくと
何を言っているのか全然わかんねぇんだ

別に難しい事を言って ....
ロドリゲスは真っ赤な革ジャンを着てこう言うんだ
100両編成の貨物列車を見に行こう
信じるか信じないかは別だけど

俺は買ったばかりの真っ黒い中古のロングレザーコートを着て
真っ白いセブンス ....
自分だけが不仕合せだとカン違いしてる人にこれ以上合わせてられないと
ストロベリーチョコレートがスクリーンに横たわる
まるで何時か俺がぶっ放した弾丸みたいに
あなたの弾丸は眼球を突き抜けて
 ....
スーパーカーより速く走りたいのさ
どんなメロディーよりも速く
鉄条網に寄りかかってジンジャーエールを飲みながら
セブンスターに火をつけてそんな事を考えたのさ

鈍色の錆びた鉄条網につかまりな ....
終電を逃したサラリーマンが
「人生お先真っ暗だ」っつーから
「修正液で直せるし書き込めるじゃねぇか」ったら
鼻で笑って寝ちまいやがった
仕方なしにイヤフォンで音楽聞いてたら
いつの間にか起き ....
世の中の奴が何を言ってるのかわからないんだ
難しい事を言っているようには聞こえないんだ
なのに何を言っているのか理解出来ない
きっと俺の言っている事も理解出来ない
そう言うと君は小さく笑って
 ....
俺の側に来てくれ何もしないでいいから

理想の自分と現実の自分があまりにも違う事に絶望して
俺は今まで何回脳内拳銃自殺をしただろう
面接で死にたいと思った事はあるかって聞かれたら答えてやるぜ
 ....
彼女は背が高い。
その所為か、いつも薄べったいデッキシューズを履いている。
ラバーソールを履いた俺よりも、少し大きい。

彼女はサバサバしている。
誰とでも分け隔て無く喋るし、よく笑 ....
24時間をベッドの中で過ごそう
ジョンとヨーコの名前なんか出しちゃ駄目だぜ
24時間をベッドの中で過ごそう
羽毛布団に包まれながら
あぁ

最近夢見が悪いのですよ
やたら精神力を削るよう ....
全ての馬鹿よ死んでくれ
頼む
全ての馬鹿よ死んでくれ
死んでくれ死んでくれ死んでくれ
一夕ヒんでくれ一夕ヒんでくれ

馬鹿が嫌いなんだ

全国の住田が立ち上がって
馬鹿を殺して死んで ....
虹村 凌(786)
タイトル カテゴリ Point 日付
面接(7)[group]散文(批評 ...109/6/11 23:54
面接(6)[group]散文(批評 ...109/6/11 23:52
面接(5)[group]散文(批評 ...109/6/11 23:50
面接(4)[group]散文(批評 ...2*09/6/10 0:23
面接(3)[group]散文(批評 ...209/6/10 0:23
面接(2)[group]散文(批評 ...209/6/10 0:22
面接[group]散文(批評 ...4*09/6/6 22:49
その日はセックスしなかった自由詩2*09/6/5 0:38
いち自由詩1*09/6/4 23:17
僕と、お昼を。自由詩2*09/6/4 22:30
[group]自由詩3*09/5/27 19:22
[group]自由詩5*09/5/20 22:29
[group]自由詩1*09/5/1 0:47
アルカロイド・ショック自由詩3*09/4/12 11:47
例えばこの手の中に拳銃が自由詩3*09/4/4 13:41
拳銃自由詩4*09/4/3 0:36
アオゾラ・マシュー自由詩3*09/4/3 0:29
鳥よりも自由の空を飛びまわりたくて自由詩8*09/3/9 20:30
この世界をどうにかしてしまいたくて自由詩2*09/3/1 12:02
おやすみなさい自由詩3*09/2/27 16:38
偏頭痛自由詩3*09/2/27 16:31
ストロベリーストリート自由詩1*09/2/27 16:23
そこには大きな幸福も災いも無いだろうから自由詩1*09/2/26 11:45
鉄条網の向こうを走るあの長い列車が通り過ぎるまで自由詩3*09/2/25 13:58
美術の先生は大きなキャンバスに描けばいいと言ったんだ自由詩3*09/2/25 6:47
何時かあのフィラデルフィアの階段を自由詩1*09/2/25 6:18
[group]自由詩0*09/2/21 13:24
シャノン・ハガーについて。自由詩4*09/2/7 11:29
デートをしよう自由詩3*09/2/1 19:23
ジンジャーエールを飲みながら自由詩1*09/1/31 15:46

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