ふっとんだ、ヨタ
構造

すかすかで
ふっとんだ、ヨタ
しょっぱい木霊がかえる空気より
真空の宇宙のほうがいい
なにもかにもが
ちりぢりと
ぶちまけられて
なんにもどれも
だれもかれも
ひとつたりとも帰ってこない

あきらめが
はっきりとした
ひとつひとつの結合になり
赤くそまって
ふんわりやってくるまでにも
相当時間がかかるだろう

つまりはひとつの収縮までに
ぼくはすっかり
ひろがりはじめて
くすりとたのしく
ほほ笑んだ

あっちにいったよと
とおざかる距離たちを
ゆっくりながめていた

そしてぼくが
極大までおおきくなったら
せまくなった視野では
きみは点にしかみえなくなって

それでも裏返しの
ピンホールカメラのように
うちがわから
数億光年のぜんたいが
一ミクロン角でしかない
きみに感光されて
それでただ
到達するまでのあいだ
なんだか
まっさおなそらと
海になっていくんだ


自由詩 ふっとんだ、ヨタ Copyright 構造 2009-02-06 12:44:08
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